造作家具づくりと股旅社中活動

住む人一人ひとりの暮らしの場として最良の家を実現するためには、建物だけでなく家具、建具、キッチンや浴室の設備など、暮らしの道具と建築が一体となることが大切です。既製品だけではつくり出せない住まいのために、暮らしの道具をオリジナルでつくり出すことにも積極的に取り組んでいます。

股旅社中は、家具デザイナーと工務店と住まいに関するメーカーが協働して新しい家づくりに取り組む活動です。
詳しくは股旅社中のホームページでご覧いただけます

股旅社中に参加するのは、全国各地の優秀な地域工務店、家具メーカー、デザイナーたちと、技術とデザインを向上させるための交流が得られるからです。特定の技術やノウハウが与えらえるのではありません。この活動の最大の意義は、仲間たちから刺激を得ながら、大瀧建築の家づくりとは何なのかを常に考えさせられること。「負けられないぞ」という、家づくりの意欲です。

何がいいのか。強みは何なのか。何がお客様のためになるのか。以前は適材適所でプレカットも一部採用していましたが、浜松の暮らしに寄り添う大工工務店として、すべての構造材を手刻みにしたことも、股旅社中活動の成果のひとつです。

 

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(1) 技術と情報の交流

股旅社中のメンバーは、自社の技術や情報を互いに惜しみなく交換し合います。言葉を交わすだけでなく、現場を見学したりデザイン開発のワークショップに参加したり、スタッフの方々とも交流しながら生の情報を得ています。
技術とデザインの向上、コストの合理化、アフターメンテナンスの充実など、お客様のために役立てていきます。
「大瀧建築見学会」のようす
愛知西尾市・イシハラスタイルのワークショップに参加

 

(2) オリジナルの家具道具の製作

家具メーカー、製材メーカーもメンバーとして加盟しています。こうしたメーカーとデザイナーの中村圭吾さんと三者の共創で、オリジナルの家具、造作、建具をプロダクト製品の精度と品質でつくり出すことができるのも股旅社中活動ならではの成果です。

股旅社中で出会ったデザイナー、中村圭吾氏は、「モデルハウス・大工の家」を建てるときから大瀧建築のデザインパートナーとなってもらいました。単にデザインを依頼するのでなく、何をつくったらいいのか、根本から一緒に考え、現場で検証し、それをつくりあげるのに最適なメーカーや職人さんに協力してもらい、オリジナルの家具や建具の開発を行なっています。

 

(3) デザイン競技会

毎年、オリジナルの家具道具を開発するデザイン競技会が開催されます。テーマは毎年出題されますが、共通していることは、自社の家づくりを向上させるものを生み出すこと。この点が、通常のデザインコンペとは異なり、工務店として実践的な取り組みとなります。各社から優れた発表が行われる中、奮闘努力しています。
「股旅社中賞」を受賞した「つみ木BED」

 

(4) コミュニケーション活動

お客様との対話、家づくりの伝え方についても、会員同士で話し合うことがあります。お客様との打ち合わせの行い方、ホームページやSNS のあり方など。何をどう伝えたらお客様のためになるのか。大瀧建築が伝えるべきことは何なのか。お客様に役立つことを伝えるためのコミュニケーション活動を考えることも、股旅社中活動の一つです。
Instagram、facebook、ブログでのコミュニケーション活動

 

(5) 仕事仲間のひろがり

股旅社中活動を通じて、会員と付き合いのあるメーカーや工房ともつながりが持てるケースもあります。
モデルハウス「大工の家」で取り組んだ、石の洗面ボウル、栗の無垢材を使ったオリジナルのダイニングテーブルは、股旅社中活動で知り合えたメーカー。仲間が広がり、家づくりの幅も広がります。
徳島のテーブル工房で製作した栗のテーブル
岡崎の石材メーカで製作した石の洗面ボウル